一つ一つ、微妙に異なる色合いが魅力

インドのブロックプリントは、主に植物や天然鉱物などの自然素材の染料を用いた、木版による型押しの伝統工芸です。花や木の実、動物などの柄を何度も重ねてスタンプすることで柄を構成していきます。一つ一つ、微妙に異なる色合いが魅力です。また、同じ木版の手法を用いたものでも、産地によって「カラムカリプリント」や「バグルプリント」、「カッチプリント」などのようにインド国内でも呼び名が異なります。

伝統工芸は木版づくりから始まる

チーク材にデザイン画を貼り付けた木版に、ノミと木の棒を打ち付けながら模様を彫ることで出来上ります。木を彫る専門の職人が鳥や植物の伝統的なモチーフや幾何学模様など様々な柄の木版を作成しています。

高い技術と経験が必要な木版押し

木版は、職人がひと押しひと押し、丁寧かつスピーディーに継ぎ目が分からないように押していくため、高い技術と経験が必要になります。職人達はそれぞれのテーブルでリズム良くトントンと版を押して柄を完成させます。

産地：北部　ラジャスターン州バグルー

首都デリーのすぐ下、「ピンクシティー」の名称で有名なJAIPURという街の郊外にBAGRU村はあります。

近隣には化学染料を用いたブロックプリントの工房が多数ある中、ここでは自然素材の染料で昔ながらの技法を守り続けてます。

太めの綿でシンプルな模様が特徴です。

産地：西部　グジャラート州カッチ

イスラム圏のパキスタンと隣接した地域で作られており、イスラム独特の幾何学模様や草花のモチーフが特徴的。

AJRAKH（アジュラック）とは、アラビア語で青を意味する「アズラック」が語源で発色の美しい青の染料もアジュラックプリントの魅力の１つです。

産地：南部　アーンドラ・プラデーシュ州ビジャヤワダ

インド最古のプリント技法と言われており、ペルシャ語を語源とするQALAM（ペン）とKARI（職人）を意味し、ペンで描くような細やかなモチーフが特徴です。